ウッドデッキの上で

僕とウッドデッキとは様々なストーリーがある。
ぼくがオギャーと生まれた時、親父の会社が倒産した直後。
そこから僕は幼少時代、極貧生活を過ごした。父はそれ以来飲んだくれて、あまり家には帰ってこなくなった。母は働きに出ていたけれど、親父の借金返済に四苦八苦していた。二つ上の姉貴は家具屋で働きながら、我が家の生活費を稼いでいた。僕は幼いころから、そんな両親と姉貴の姿を見て育った。狭い台所と2つの部屋しかない長屋の端っこで僕は12歳を迎えた。
その時、友達の家に行って出合ったのがウッドデッキつきの豪邸だった。僕は、もう全てのことを忘れて、夢の中にいるような気分になった。素晴らしい家に完全に人目ぼれをした。

●ウッドデッキがくれた感激
12歳の夏に、学校から帰り僕は、初めてその友達の家に遊びに行った。家からバスで行かなければいけない距離にあった。そこで僕は、これまでに知らなかったような胸の高鳴りを覚えた。
●家具屋で働く姉
TVボードやデスクを運ぶ姉を見て、体の基本的なあり方を学んだ。働くためには強くなくてはいけないということ。それから僕は仕事をし、新しい家に住むことを目標に、勉強するようになった。
●この書類に印鑑を押す瞬間が来た
僕とウッドデッキの出会いがあってから、20年の月日が流れた。とうとう、僕は自分の家を建てる契約をすることになった。この書類に印鑑を押した時、これまでの思いが胸をこみ上げてきた。
●照明器具を選ぶ時に思うこと
僕は、照明器具を妻と選んでいる時に思いだすのだ。僕が幼少時代をすごした、長屋の電気のことを。たった一つの裸電球がぶら下がった部屋で、母と姉貴の大変そうな会話をただただ黙って聞いていた時のことを。
●父の借金が過払いになるまで来た
母と姉貴そして、僕が働きだしてから返済し続けてきた借金がとうとう終止符を打つところまで来た。どうも、それも過払い 名古屋の古き親友のアドバイスで知った。過払いは悔しいけれど、それでもそこにひと段落ついたということが、僕の長い間の呪縛を解き放ってくれた。